いばらきの昔ばなし

ふるさとの昔ばなしシリーズ 水戸市

六地蔵が七地蔵に

水戸市六反田町の六地蔵寺は、真言宗のお寺で、安産・子育てにご利益があるとして広く信仰されています。 

境内には見事なしだれ桜があり、花の名所としても知られ、特に開花期には多くの参拝者でにぎわいます。

お寺の名前は、ご本尊*1が六体の木像地蔵尊であることから付いたといわれています。

今回は、その六地蔵寺のご本尊が七体になってしまったというお話です。

むかし、村人がお寺にお参りに行くと、六体あったお地蔵様が五体しかないのに気付きました。

不思議に思って、和尚さんにたずねると、「ああ、そのお地蔵様なら唐*2の金山寺が火事だというので、消火の手伝いに出かけているのだよ。」と事もなげにいうのです。

それを聞いた村人たちはびっくりしましたが、「六地蔵寺にお地蔵様が五体しかないのはおかしいだろう。」と仏師*3に頼んで一体を作りお寺に奉納しました。

「よかった、よかった。これで元通りになった。」と村人たちはほっとしておりましたが、しばらくすると、さらに驚くことが起きました。

唐に火消しに行っていたお地蔵様が戻ってきたため、お地蔵様が七体になったというのです。

それ以来、「六地蔵寺の七地蔵」として有名になり、ますます人々の信仰を集めたということです。

  1. *1 本尊
    寺院の本堂に安置し、崇拝の中心となる仏。
  2. *2 唐
    中国・朝鮮の古称。また、広く外国の意。
  3. *3 仏師
    仏像を作る職人。
参考資料
  • 「茨城の伝説」(今瀬文也・武田静澄共著)
    「水戸の民話」(藤田稔編著)
    「茨城の寺を訪ねて」(茨城放送)